あれだけ長い時間一緒に居て、あれだけ色んな事があったのに、
俺はお前からネガティブな言葉を一度も聞いた事が無い。
我侭ばっかり言う俺だから、腹の立つ事も沢山あったに違いないのに
お前が俺を見放した事は一度も無かった。
どんなに暴言を吐かれても、どんなに理不尽な事をされても、
お前は全てを肯定して「美しい」といつも言った。
お前は言葉を何より大事にしてる節があった。
印象的な会話がある。
「我々にとっては言葉が全てだ。
相手に相応しい言葉を常に真剣に選ばなくてはならない。
美しい君達には、美しい言葉が似合うのだから」
お前は本当にそう信じるからこそ、誰に対しても
愚痴や後悔や嘆きの言葉を使わなかったんじゃねぇかと
今更ながらにそう思う。
俺の強がりでも勘違いでも構わねぇ、
お前が思ってくれてた様な美しい人間にいつかなりたい。
ありがとう。
俺があの場所をどうしようもなく飛び出した時、贈ってくれた一節を置いておく。
……It's the heart afraid of breaking,That never learns to dance.
『The Rose』
君ならきっとどんなダンスも踊れると、お前はそう言って微笑んだ。
厳しくも優しい、胸が震える様な記憶。